「うっわぁ…不二ぃ、今年も桜、綺麗に咲いたね」
「そうだね。」

桜が綺麗に咲く時期、入学式当日。
2人は今年最上級生と云う事で入学式の準備がはいっていたので
いつもより早い時間桜並木を歩いていた。
しかし2人が会ったのは偶然だった。
















「ねぇ、不二?覚えてる?俺等が初めて会ったときの事。」

突然の菊丸の問い掛けに不二が二コリと笑みを見せた。

「さぁ、どうだろうね?」
「ぁあ〜!何それぇ…別にいいけどさっ」

プイッとそっぽを向いて歩き出す。

「(覚えてるに決まってるじゃない?忘れるわけないでしょ、英二。)」









「ぅわぁ…緊張するにゃぁ…」

桜並木を一つの影が歩いている。
しかし次の瞬間影は止まった。その代り主の少年が転んでいる。

「いったぁ…にゃんで今日に限って転ぶかにゃぁ…」
「君、‥大丈夫?」
転んだ少年の前に一瞬少女かと思われるような容姿を持った少年が現れた。

「ぁ、うん。大丈夫!」
「…青学に行くの?」

身形を見るなり突然の質問に肯定の意を表し頷く。
そして少年はニコッと笑い

「それじゃぁ、僕と一緒だね。僕は今年入学する不二周助って云うんだ。」
「ぇ?ホント?俺もだよ!俺は菊丸英二ってんだ。よろしくにゃ♪」
「うん。よろしく。でも、本当に大丈夫だった?思いっきり転んでたけど…」

思い出したのかクスクスとわたって相手の無事を確かめる。

「むぅ‥笑うなよ…恥ずかしいんだぞ?これでも。」
「ゴメンゴメン。あんな思いっきり転んでる事なんて久しぶりに見たからさ。」
「そぅ……ねぇ?一緒行こ?どうせ、一緒の所行くんだからさ!」
「うん。いいよ」

と手を差し出されて菊丸も不二の手を取って立ち上がった。

「ありがと…‥」

今度は二つの影が桜並木を歩いている。
転ばないように確り手を繋いで。

「不二君‥手……」
「不二、でいいよ?‥手?ぁあ、英二君が又転んだら大変でしょう?」

クスクス笑いながら問い掛ける。

「ぅ‥まぁ…俺の事はっ、エージでいいから!」









「(って感じだったかなぁ?僕はあの時英二に一目惚れしたんだよね…)」

クスと苦笑混じりに笑みを浮かべていたらそこに元凶の菊丸がひょいと覗き込む。

「どったの?不二?ボーッとしちゃってさ」
「ん?それはね、君の所為かな?」
「ぇえ〜?にゃんで俺の所為にゃんだよぉ…俺何もしてないじゃんっ!」
「ほらっ、エージ早くしないと僕達怒られちゃうよ?」

上手い具合に話を逸らして、菊丸の手を握り走り出す。
そして2人は二年前のように手を繋いで桜並木を走っている。
今度は学校に遅れないようにと。
風が吹いて桜吹雪の中を2人笑いながら。
今年はどんな一年生が入ってくるのかを期待しつつ。


+++FIN+++






後書という名の言い訳

はい、是を書いたのはいつの事だか記憶にもないくらい前です。
昨年の春だと思われます。
英二が乙女と言うか…自分的にあまり好きではない英二が居ますッ!!【泣
話が今と同じくらいまとまっていない様子を見るとあまり成長していないんですね…【ホロリ
何かショックです…ι



2004/12/7/ 修正






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