「僕に何か用事?」
「ぁ…不二さん…」

珍しい人物が青学に訪問していた。
立海の切原赤也。
正に一触即発が恐れられるご対面である。









初めての気持ち―序章―









事の始まりは数日前。

負けたことが悔しくて、自分のテニスが憎くて、これからどうしたらいいのかわからなくて…
赤也はスランプと云うものにぶつかってしまったらしい。

そして、もう一つ、自分を惑わすモヤッとした気持ち。



ひつらにテニスに打ち込み全てを忘れようとしたがそれは出来ず、解消にも至らなかった。

そこで仕方なく最後の手段、柳に相談という手をとった。
あまり気が進む考えではないが絶対ではある。

「赤也…会ってみたらどうだ?」

たったこの一言。
自分が嫌々ながらに相談した結果が今の一言。
誰に、とも言ってはくれなかった。
分かるはずがない。




しかしながら柳の言ったことだ。
誰かに会えば解消出来るのかもしれない。

そこで思い浮かんだのが…
          不二周助―。









思い立ったが吉日。
次の日には適当な理由を付け部活を休み、バスに揺られる事数十分。
青学に到着したわけだ。




どこかで見たことのある三人組に不二を呼んできてもらうように頼んだ。
半ば強制的だった気もするが。

そして今の状況に至る。
「少し付き合ってくれませんか?」

不二はほんの数秒悩み、後を付けてきた英二と桃城にこの事を伝え赤也と共に学校を出てしまった。
「ヤバイって!あれで不二無事に居られると思う?」
「大丈夫だと思いたいっすけど…あの切原じゃ…」

残された二人は後をつけるべきかどうかを頭を抱えて悩んだ




一方、赤也と不二は公園に着いたところだった。

「何か悩んでるみたいだけど…僕に相談?」
人気は時間帯の割りに少なく、とても静かで無性に淋しい気持ちになった。
ブランコに腰を掛けて不二に悩んでいることを打ち明けた。

「…俺、あの試合の後…色々悩んだんっスよ。人を傷付ける…俺のテニスは何だったんだろって」
赤也は眉を寄せ険しい表情を浮かべていた。
それほどに悩んでいるのだろう。
「ぅん、そうだね…。切原がその事に悩んでいるのなら僕も相談に乗ってあげる。」


軽くブランコを足で動かしながら口を開きポツポツと本音を話し始めた。
「最初は唯悔しかっただけだったんっスよ…でもだんだん違う形になってきて、俺、どうしたらいいのかわからなくなったんスけど、先輩には相談しずらくて…」
それを静かに不二は聴いた。決して否定しようともせず、口を挟もうともせず。

話が終わった時には赤也の暗い気持ちは少し晴れていた。

「ぁのっ…今日は有り難う御座いました!それから…試合の時は…」
「うんん、いいよ。僕にとっても君にとってもの試合はいい経験だったんだ。君がわざとやった事だとしても、それがなかったら僕はこの先もずっと勝ちに執着する事はなかったと思うんだ。だから、少し感謝すらしてる。痛かったけどね」
苦笑を浮かべながら不二は言葉を言葉を丁寧に選んで言った。
「よければ、又試合してくれないっスか?今度はあんなんじゃなくて正々堂々と」
「クス…喜んで、今の君には必要なことだろうしね。」

何となく、多くの悩みは解消された気がするがやはりモヤッとした気持ちだけは消えなかった。

寧ろ…少し広がった気さえもする。









後書という名の言い訳

久しぶりの更新が何故こんな微妙なCPなのか!
それにはとーっても深ぁい訳が御座います。
この度私達サークル「えれくとりっくたわぁ」はイベントに出陣することに決定いたしました。
その為に自分達好きなCPがバラバラなのであみだくじで決めた結果がこちらです。
自分が出したのは「赤也×不二」、「仁王×リョーマ」、「ジロー×英二」でした。
そのうちこの話は無料配布することに致しました。
これは「序章」なのですが今回ネタバレ?防止の為序章のみの更新と致します。
続きはイベントで!
詳しくは日記に載せますので気になる方は日記も見て下さい。











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